Fringe Kayak Trip

Granstream 大瀬志郎のBlog

シマナミ3Daysトリップ vol.1

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出発地点でカヤックを組み立てていると、ローカルのじいさんに話しかけられたので、「呉方面へ行くんですけど、どの島に立ち寄った方がいいですか?」聞くと「大久野島」と答えが返って来た。大久野島は、昔、日本軍が毒ガスを作っていた島。じいさんは大久野島の近くの大崎下島の出身だそうだが、大久野島から流出し、大崎下島に流れ着いた毒ガスのボンベをおもちゃにして遊んでたそうだ。「じゃあ、いってみますか〜。」”三日間で潮に乗って西へ向かう。”ということだけが目的の我々(3艇のHeron、2艇のWisperXP)はそのお告げに従い大久野島へ向かう事になった。

f:id:ocean46:20141122153003j:plainシマナミは瀬戸内海の中でも潮が速いエリアだ。しかもその日は大潮。一番潮が速い日だ。西へ向かうには、正午あたりからの引き潮に乗って行く必要がある。潮に逆らって漕ぐ事も可能だが効率は悪い。また島と島の間を多くの動力船が行き交う。パドルを使って漕ぐカヤックは櫓櫂(ろかい)船という部類に入る。櫓(ろ)もしくは櫂(かい)を使って漕ぐ櫓櫂船は、海では船舶と認められていない。船舶ではなく、何なのかといえば、分かりやすく例えると水に浮いている流木と同じ扱いとなる。流木が故に自由、しかし自由が故に自分たちでリスクを回避しなくてはならない。常に360°に注意を払いながら、船舶がこっちに向かってくると船団を固め、一度、止まり、船舶のコースを見極める。弱者が守られる陸上と違い、大きな船は急には止まれないので、小さい船が大きな船を避けなければならないのだ。(ちなみに瀬戸内海にはこんな感じ〜MarineTrafic〜に大型の船舶が浮かんでいる。小型の船舶は他にも無数にいる。) そうもこうもしながら、時には川のように流れる潮に乗り、順調に大久野島に到着した。(→vol.2へ)
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