読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

琵琶湖の深呼吸

f:id:ocean46:20160312150539j:plain
京都新聞記事)

 酸素を豊富に含んだ表層の水が、湖底の水と完全に混ざり合う琵琶湖の「全循環」が今年は遅れていることが12日までにわかった。例年は1〜2月に確認されるが3月に入っても湖底の一部で水が混ざりきっていない。大幅な遅れは2007年以来で、当時は秋に湖底の低酸素化が報告されており、研究者が注意深くデータの収集を続けている。

 冬場の琵琶湖では、外気で冷やされた表層の水や雪解け水が湖底へ沈み込み、対流が起きて上下の水が混ざり合う。酸素をたっぷり含んだ水が深い湖底まで届けられる年に一度の機会で、全循環は「琵琶湖の深呼吸」とも呼ばれる。

 毎年、琵琶湖環境科学研究センター(大津市)が、「第一湖盆」と呼ばれる水深約90メートルの北湖湖底などを調べて判断している。例年は1月下旬から2月中旬に、湖底付近の1リットルあたりの溶存酸素濃度が各調査地点で一様に10ミリグラムを超える。だが、今年は濃度が回復しきらず、3月4日の調査では7地点の値が同4・5ミリグラムから9・3ミリグラムまでの間にとどまった。同湖盆をのぞく湖底全体の9割以上では、水の循環が確認できているという。

 原因は暖冬とみられる。今冬は県内で降雪が極端に少なく、冬場の気温も平年より1〜2度高かった。同センターの焦春萌専門研究員は「湖面冷却が不足したため、水深の深い地点では水温の低い水の塊がまだ残っている」と説明する。

 07年も記録的な暖冬で全循環が3月下旬までずれ込み、同年冬には、低酸素化の進んだ第一湖盆でイサザやスジエビの大量死が報告された。湖底の低酸素化は猛暑や台風通過の有無、植物プランクトンの増殖などにも左右されることがわかっており、同センターは「全循環の遅れている今年はより注意が必要」とし、調査を続けていくという。(京都新聞記事)

広告を非表示にする