自然への畏怖
いふ【畏怖】(名)
大いにおそれること。おそれかしこまること。「畏怖して近寄らず」「畏怖の念を与える」〜大辞林より
久々にその感じを心底思い出しました。
私は人間が自分たちの身を守り、快適で便利な生活をするために創り出した都会(文明)から、人間にとっては危険で便利ではない自然の中へ人々を導くことを生業としております。山でも海でも人間の手が入っていない場所、人の気配がない場所程、美しく(我々にとっては)テンションがあがる場所といえます。純白の雪が降り積もった山の急斜面、360°見渡す限りの大海原、水面下40mの海底、人の気配のない場所は人間のための場所ではなく、本来は自然のための場所なのでしょう。しかし、そういう場所に身を置く快感を一度でも感じてしまうとそこへ行きたいという要求は麻薬のように常習化してしまいます。始めはビビりながらも行き慣れてくると、あまり危険だと思う感覚は薄れ、危険と快適さのスレスレ、ギリギリの部分をある程度余裕をもって楽しめるようになります。しかしその慣れからくる少しの甘えを自然は許さない場合があります。私はこれからもより自然の奥深くに突っ込んでいく事に喜びを感じ生き続けるでしょうが、自然に対する畏怖の気持ちはだけは持ち続けたいと思います。この写真の雪崩事故で亡くなった七名の方のご冥福を祈ります。