Fringe Kayak Trip

Granstream 大瀬志郎のBlog

旅の回想 2013年 Haida Gwaii(ハイダグワイ) への旅(前半)

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星野道夫さんの本読んで、Haida Gwaii(ハイダグワイ、旧クイーンシャーロット島)で漕ぐ事 に憧れること15年。気付けば長男も12歳。「ついてくるか?」と聞くと、「うん。」と即答。憧れの地を親子で旅をすることになった。ダグやジョン ダウト等のレジェンドカヤッカー達も彼の子供達とHaida Gwaiiを旅をしている。ジョンに「息子と行こうと思うんだけど。」と話すと「12歳?いい時期だよ。俺は8歳で連れていった。行った方がいい。」と背中を押してくれた。

以下は、2013年の旅の後、blogに掲載したレポートをまとめたものです。まだ途中ですが、宜しければ参考にして下さい。

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バンクーバーに入りました。飛行機が結構揺れて、私はビールを頭から被り、その横で息子は吐いておりました。波乱の幕開けかと思いましたが、DougやTheresaやUncle Nielに優しく受け入れてもらい、息子も落ち着いたようです。目に入る物全てが初めての経験で、英語も訳が分からず、目を白黒させていますが、子供の吸収力に期待したいところです。22日にバンクーバーからHaida Gwaii/ハイダ-グアイ(クイーンシャーロット諸島のこと、ハイダ-グアイという元々のローカル名がオフィシャルとして使われるようになったそうです。)へ旅立つまでは、このあたりを徒歩や自転車でウロウロしています。徐々に旅をヒートアップさせていきます!

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朝、6時に起きるはずが、起きたら午後1時でビックリ。それから歩いてフェザークラフトへ。フェザークラフトでは、ダグが息子をガイドしてくれて、みんなに紹介してくれた。写真は、アル。クレージーなマウンテンバイカーで、フレームセクションの責任者。私が19年前に初めてフェザークラフトに来た時からいるベテランだ。さすがに13時間寝たせいか時差ぼけもほぼ解消。息子も元気になった。明日は、MECに自転車で買い出しだ。

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今日は、今回の旅で使うカヤック、クロンダイクを最終チェック&パッキング後、Ecomarine Paddlespots Centres へ行って、HaidaGwaii(ハイダグアイ) のチャート(海図)をゲット。その後、MEC(Mountain Equipment Coop)にて、必要な装備を買い足した。旅に向けての準備は着々と進んでいく。明日は、UBC(The University of British Colunbia)人類学博物館(UBC Museum of Anthropology )にいって、更にHaidaGwaiiへの意識を高めてきます。

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Taishi with Brother Evan and Uncle Daniel!! Nice Dinner! Thanks,Dan!

2m近いダグの息子のEvanと185cmコマンドー体型のDanielのイカレタカナダ人コンビに囲まれ、日本では大きいと思っていた親父の小ささを実感した息子でありました。お土産の高島特産綿クレープのシャレテコを履いてポーズを決める二人。

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HaidaGwaiiでカヤックを漕ぐには、 

Gwaii Haanas National Park Reserve, National Marine Conservation Area Reserve, and Haida Heritage Site

への届け出が必要、料金は、今回で大人がCan$117.7、子供が、Can$58.8、計Can$176.5かかった。後、釣りをするならFishing Licenceが必要。こちらは、Can$106.5必要。チャートは、3853で、今回のコース、Moresby Campから、HadaGwaiiの最南端までカバー出来る。15万分の1。

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ワタリガラスと最初の人々 Raven and the First Men』ビル.リード作木彫り彫刻 ブリテッシュ・コロンビア大学文化人類学博物にて。

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Dougの大学時代の親友、Neilと。私も気付けば、20年来の付きあいだ。

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Vancouverから北東へ750km、Air Canadaの2時間のフライトでほぼ南東アラスカの気候に属するHaida Gwaii南島のSandspitにたどり着いた。飛行機から地面に降り立つと、すこし肌寒くそして空が広く感じた。パッキングされたFeathercraftフォールディングカヤック、Klondikeが二個のバックに、そしてキャンプ道具と食料が二個、1個23kgのバック計4個を受け取り、合計100kg以上の荷物を持って知らない街で今宵の宿も決まっておらず「さあ、どうすっぺ。」と途方にくれたのだった。ちなみにAir Canadaの国内線のChecked Baggageは、23kg(50lbポンド)に納めれば、一人一個はタダ、二個目は1個20CAN$のoverchargeがかかった。今回は二人で4個だったので、計40CAN$のovercharge、グループメンバーカード等によって、条件が変わる場合もあるようなので、詳しくは、Air CanadaBaggage Guideをチェック。ちなみに航空券は、我らが業界の強い味方WILDNAVIの宮田さんに手配してもらった。

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困った時はまずSandspit airport Visitor Centreへ。Vistor Centerでは、土産物やガイドマップ、海図なんかも売っている。FranceからNew Zealandを経てこの地にやってきたFrench GuyのFlavien(フレビアン)が、色々、相談に乗ってくれた。キャンプ場の場所、国立公園に入るためのオリエンテーションが行われている場所、時間、行き方、買い出しする店の場所、漕ぎ出し地点までのアクセス、その他諸々。ほとんど事前に調べて来ていないので、Flavienからの情報が重要な情報となった。(その後も何度もFlavienに世話になることになる。)後で戻せば空港のカートをキャンプ場まで使っていいと教えてくれたので、カタカタとカートを押しながら、3km先のキャンプ場へ歩いて行く事となった。タクシーはやたら高いので、(もちろんバスもない。)これは助かった!Flavienは、Bayview GardenというB&B and Hostel のマネージャーでもある。旅人が集うSandspitオススメの宿だ。

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水に浮かべば自由なフォールディングカヤックの旅人は陸上では機動力の弱いウミガメと変わらない。Sandspitからすぐに漕ぎ出すなら、空港のすぐ裏でカヤックを組み立てて、漕ぎ出す事も可能だ。Super-Valuというgrocery storeも空港の近くにある。我々はまずはこのウミガメ状態でキャンプ場を目指す事にした。

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カートを押しながら海沿いの道を歩いていると郵便局の前で、「そんな荷物を持って、どこまで行くの?」と声をかけられた。「キャンプ場までです。」と答えると、「遠いから乗りなさい。送って行ってあげる。」とプリウスに荷物を押し込んでキャンプ場まで送ってもらった。こんな初めての経験に息子も戸惑っているようだった。「何で乗せてくれるの?」「親切だからだよ。」郵便局に置き去りにしたカートを戻しに行くと、もうすでにそこにはカートの姿はなかった。「日本だとこんなことはないね。」「どんな街か知らない街でも、一人に親切してもらうだけでいい街に思えるな。」そんな会話をしながら二人で歩いた。

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501RV/Tent Parkにまずは、テントを張りベースを作って一安心。ここは、1泊 二人で10CAN$だった。コインシャワーやランドリーがある。熊がでるので、食料は所定の冷蔵庫もある小屋へ保管した。キャンプ場のおばちゃんは親切で、ストーブ用のガソリンをくれたりした。

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501RV/Tent Park前のビーチ。色んな大きさの砂利の浜だった。干満の差は大きく、5m程。大潮時には、この写真からまだ潮は引き、満ちるとこの砂利の部分はほとんどなくなってしまった。引いた時に岩をひっくり返して、磯ガニやギンポみたいなものを捕獲した。モズクもあったので採集した。

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今回の旅のコースはHaida Gwaiiの南島にあたるMoresby Islandの北東端に位置するSandspitから漕ぎ出して、同島のほぼ南端、Rose HarbourまでのMoresby Islandの東海岸の1WAYで漕ぐことにした。Sandspitは、Moresby Islandの唯一の街で、そこを出発するとサマーコテージみたいなものはあるが街はない。Rose Harbourは昔の捕基地で国立公園内だが、唯一人が住む事が許可されている数件の集落だ。そこまでカヤックで漕ぎ、復路はMoresby Explorersに依頼してボートでピックアップしてもらう事にした。Moresby Islandの東海岸なら往路、復路どうにでも送迎を依頼出来る。遠くなればなるほど毎日ボートが出るわけでなかったり、最小携行人数があったりするので事前に予約したほうがいい。カヤックのレンタルやガイド、ボートツアーも行っている。ドロップオフ(往路のボートの送迎)も依頼するとボートはMoresby Campというところからボートが出るので、Sandspitからそこまでの車での送迎も込みとなる。国立公園に入るオリエンテーションについてもMoresby Explorersが代行してくれる場合もあるようなので、日数に余裕のない人はドロップオフを依頼するのが現実的だ。ちなみにMoresby Campまでの道路での移動を自力でやろうとすると、Sandspit Taxiに依頼するしかなく、片道で198CAN$かかる。またMoresby Campまでの陸路の送迎は、Moresby Explorersでは対応してくれない。あくまでもボート送迎付きの場合のみとなる。Moresby Explorersには、ちょっとしたアウトドア用品のショップもあり、キャンプ用品やVHFラジオ、マウンテンバイクのレンタルもしてくれる。Tide Chartもコピーしてもらった。空港から10分か15分くらい歩いたところにある。

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Bald Eagle(白頭鷲)は、ここでは鳶(とび)のように普通に飛んでいる。しかし鳶よりでかくてカッコいい。Raven(ワタリガラス)も飛んでいる。カラスよりすこし大きめで、滑空することが出来てカッコいい。

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TUNAMI(津波)は、世界共通語。

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情報収集にもめどがついたので、カヤックを組み立てる。今回、使用するカヤックは、Feathercraft KLONDIKE(クロンダイク)。普段使用して使い慣れているK2ではなくKLONDIKEを使用したのには理由がある。ここの干満の差は大きな時で5m以上。場所に寄っては、干潮時に上陸するとキャンプサイトまで何百mもカヤックと荷物を運ばなくてはならないことになる。潮が引いた潮間帯は足場も悪く、12歳の息子はまだ非力なのでダブルコックピットのK2を二人で運べない。KLONDIKEであればシングルコックピットなので一人で肩に担いで運ぶ事ができる。この計画をDougに話した時、その方がいいと勧められ、有り難く、FeathercraftでKLONDIKEを借りた。実際その通りだった。5mの干満差がある海で、カヤックを運べないパートナーとのダブル艇に18日分の食料を乗せた状態での離陸、着岸は思った以上に神経を使った(もう慣れましたが)。新しいビルトインコーミングタイプのKLONDIKEを組み立てたのは、数回目だが昔のハードコーミングよりは、数段くむ手間が省かれる。Vancouverで事前チェックもしていたので、なんなく無事に組み上がった。

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国立公園へ入るオリエンテーションを受けるために、Sandspit側のAlliford Bayから、対岸のSkidegateへBC Ferryで渡った。オリエンテーションが受けられるHaida Heritage Centreは、Skidegateのフェリーターミナルから、東へ歩いて10分で到着する。後で思ったことだがHaida Heritage Centreの目の前はいいビーチだったし、Sandspitからの距離は10kmほどなので漕いで行けなくもなかった。最後まで悩んだがオリエンテーションが朝9時スタートということもあり、上陸する場所も事前にイメージ出来なかったので漕がなかった。SandspitからAlliford Bayまでは15km。Sandspit Taxiに頼むか、Moresby Explorersでマウンテンバイクをレンタルするしかない(もしくは歩くか!)。taxiは、Alliford Bayまで、片道41CAN$。往復頼んでおくと帰りのフェリーに合わせて、また迎えにきてくれる。子供用のマウンテンバイクがなかったので、今回はtaxiを頼んだ。8人乗りくらいのバンに俺ら二人。もったいなかったが仕方ない。しかしHaida Heritage Centreはそこまでしてでもいくべき場所だった。フェリーに乗っている時間は片道、20分程。代金は行きは徴収されずに帰りに往復分支払うシステム。フェリーの車が降りたら、次は歩行者、その後に車が乗り込む順番。フェリー代は、往復で大人、子供二人で18.9CAN$だった。どこへ行ってもフェリーに乗るとすこしワクワクする。

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Sandspit方面を望む。朝の静かな海をフェリーが進む。

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フェリーの客室。

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SkidegateのHaida Heritage Centreにやってきた。伝統的なHaidaの建築様式を取り入れながらも近代的な雰囲気な建物。Haida Cultureが集約された施設だ。目の前のビーチにはトーテムポールも何本か立っている。潮を気にせずにアプローチできそうだった。これなら漕いで来れたのにな〜。

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「 Independent Travellers」すなわちガイドに頼らない自立したカヤックの旅人が、

Gwaii Haanas National Park Reserve, National Marine Conservation Area Reserve, and Haida Heritage Site

に入るには、Parks Canadaに連絡して、予約し、料金を払って、オリエンテーションを受け、Trip Permitを得なければならない。チャーミングなUBC在学の学生のお姉さんから、親子二人でスライドを中心としたオリエンテーションを受けた。また自分たちがNational Parkに入る日程、ルートを伝えた。Permit Feesは今回、大人がCAN$117.7、小人がCAN$58.8だった。Tour Operaterを使ったGuide ToursならオリエンテーションはここにこなくてもTour Operaterから受けられるようだ。しかし今回はここへ来る事へ大きな意味があったのだ。

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施設内を散策していると一人の若者が黙々とトーテムポールを削っていた。これは「Legacy Pole」。このポールは8月15日にWindy Bayという昔の集落跡に建てられる。そしてその傍らにはHaidaのカヌー。博物館では何度もみたが、今でも現役で使われている状態のHaidaのカヌーを見たのは初めてだ。いつもならカヌーにもっと意識がいくところだが今回はオーラを放つこのトーテムポールに釘付けとなってしまった。Parksのwebsiteにて8月15日の2:00PM(日本だと6:00PM)にこのトーテムポールが建てられる様子がLIVEされる予定だ。

Parks Canada 
Haida Heritage Centre 
Haida Gwaii Blog
Council of the Haida Nation

 レポートはここまでです。続きはそのうち。

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